日タイのビザ制度比較(3)~就労までの流れ~


日本とタイのビザ制度比較の続きです。

就労(雇われて働く)の場合を例に、ビザや労働許可を取得していく順番を図にしてみました。
まずはタイから。
タイはCase1とCase2の2パターンあります。

就労(雇用されて働く)までの流れ:タイCase1

就労(雇用されて働く)までの流れ:タイCase2


Case1とCase2の違いは、Case1では日本のタイ大使館でのビザ申請の前に、事前にタイの労働局でワークパーミットを申請することを示す証明書(労働許可申請受理証明書หนังสือแจ้งการพิจารณาอนุญาตทำงาน)を取得しておき、これを日本のタイ大使館でのビザ申請の提出書類に加えているところです。
一見ひと手間多いようですが、Case1のように最初に労働局の証明書を取っておくと、以降のビザや労働許可の取得までの流れがスムーズであるため、Case1で進められるのが一般的とのことです。

こちらは日本で外国人が就労するまでの流れです。

就労(雇用されて働く)までの流れ:日本


タイのCase1では、
大使館でのビザ(査証)申請前に自国でひと手間(労働許可申請受理証明書)ありますが、日本も大使館でのビザ(査証)申請前に自国でひと手間(COE)あるので、そういう意味では、タイのCase1と日本は似ています。ただし、これまで何度か書いたとおり、日本は在留と就労の許可が一体となっていて(つまり全部入管)、事前申請であるCOEの申請先も入管です。

また、タイではCase1もCase2も入国してワークパーミットを取った時点で持っているビザは90日です。このため、ワークパーミット取得後、速やかに(ビザ期限の30日前までに)1年ビザへの更新をしなければなりません。実務上は、ワークパーミット取得と同時にイミグレーションへ行き、1年ビザへの更新手続きをします。また、タイの場合は1年ビザ取得時点で再入国許可の取得をすることが一般的です。(タイは再入国許可を取らずに出国すると(・・例えば一時帰国すると)、その時点で有効期限があってもビザは失効します

これに対して日本の就労ビザは入国時点から通常1年(または3年、5年・・ケースやビザ種類によって短い場合あり)がもらえ、在留と就労ということに関しては、入国後はビザ期限まで特に何もする必要ありません。日本にも再入国許可の制度はありますが、日本の場合は1年以内に日本に戻る場合は再入国許可を取得しなくても同じビザで再入国できる(ビザが失効しない)ため、再入国許可を取得する人は少数派です。(ただし、日本でも私は再入国許可取得をお勧めします。理由は後日)

入国後の手間という点では、タイより日本の方が負担が少ないといえそうです。

 

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Author

福島(Fukushima) 竜太(Ryuta)
福島(Fukushima) 竜太(Ryuta)入管手続専門行政書士(Certified Administrative Procedures Legal Specialists/Immigration Consultant)
aroi行政書士事務所 代表行政書士(東京都行政書士会所属)
アジアランゲージセンター(株) 代表取締役
群馬県渋川市出身
大東文化大学国際関係学部(タイ語選択)卒業後、タイ・バンコクに2年間駐在
日本語教師・日本語学校事務(留学ビザ手続担当)を経て2009年10月行政書士登録

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