タイ人の名前とニックネーム
タイ人は、ほぼすべての人が本名のほかにニックネームを持っていて、特に改まった場を除けば家族も友人もニックネームで呼び合う。
それが当たり前すぎて、結構付き合いが長くなっても友人の本名を知らないままということも珍しくない。
メールやSNSがなかった時代は、手紙の宛名で相手の本名を書く機会があったので、その時に「こんな名前だったのか!名前、長っ!!」ということもよくあったけど、今はその機会も激減しているから、友人の本名を知る機会は更に減っているだろう。
この仕事をしていて驚いたことの一つが、タイ人が名前(本名)をよく変えることだ。
結婚して姓が変わる(変えなくても良い)だけでなく、占いなどで結構あっさり名前を変えてしまう。姓も名もだ。
実際、ある友人は1か月の間に姓と名を両方変えている。
ただでさえ普段使いしない本名なのに変えてしまうことが珍しくないとなると、家族でもなければ覚えようという気も起らないだろうと思う。
一方で、タイ人はニックネームを変えることはあまりないそうだ。ある意味、タイの日常生活においてはニックネームのほうが大事と言えるかもしれない。(その割に同じニックネームの人が多くて混乱するが)
日本人にとってタイ人の本名は長くて発音も難しく、覚えにくいものが多いので、ニックネームで呼び合う習慣は有難い。
日本人の名前はそれほど長くないものが多いが、それでも一部の日本人の名前はタイ人にとって難しく、発音しにくい。
そうすると、反対にタイ人側からニックネームを求められることになる。
例えば、私の姓「福島」はタイ人にとって発音が難しい。
なので、初対面のタイ人から「ニックネームはないのか」とよく言われる。
高校の時、私は一部の友人から「デン」と呼ばれていたことがあったので、大学時代に出会ったタイの友人にそれを言ったら、彼らの中で私のニックネームは「デン」になった。それは30年経った今も変わらない。
が、もともとほとんど本名で呼ばれていたので、学生時代のごく一部・一時期呼ぶ人がいただけの「デン」は、「これが僕のニックネームだよ」と言えるほど自分の中で定着していなかった(別に嫌だったわけではないが)。なので、初対面のタイ人に「ニックネームはないよ」と答えることも多い。
すると、今度はタイ人からニックネームを付けてもらえることがある。
เอก(エーク)・・「No1」という意味。バンコクに駐在した時、会社のスタッフが付けてくれた。
สมหวัง(ソムワン)・・「願いが叶う」という意味。千葉のタイレストランオーナーの命名。
今まで付けてもらったニックネームで覚えているのはこの2つ。
เอกは、結局名付けたスタッフ間でも定着せず、消えていった
สมหวังは、今のところ、まだそのレストラン関係者の間で流通している
私は下の名前(竜太・リュウタ)が呼びやすい(タイ人には「リウタ」と発音を微調整し、表記もこれに合わせてริวตะと伝えている)ので、下の名前か、下の名前をさらに短くした「リウริว」と呼んでもらうことが大半だ。
でも、こうしてみるとเอกもสมหวังもいい名前だよなあ・・
慣れた呼び名、広く認知された呼び名を今から変えてもらうのは難しいからこのまま行くけど、ちょっともったいないことをした気分だ。
Author
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aroi行政書士事務所 代表行政書士(東京都行政書士会所属)
アジアランゲージセンター(株) 代表取締役
群馬県渋川市出身
大東文化大学国際関係学部(タイ語選択)卒業後、タイ・バンコクに2年間駐在
日本語教師・日本語学校事務(留学ビザ手続担当)を経て2009年10月行政書士登録
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