「その人」は就労ビザがとれるのか?

以前の記事で、「ビザの種類と仕事の内容が合致しなければビザはとれない」と書きました。

「それなら、ビザの種類と仕事の内容が合致すれば、ビザはとれるんですよね?」と思われてしまいそうですが、そこはそうとは言い切れないのです。

たとえば、

通訳・翻訳者を募集する求人広告を出したところ、日本語ペラペラの外国人が応募してきました。就労ビザを持っていると言うので、在留カードを確認したところ、「技能」という就労ビザを持っていることがわかりました。もともと調理師としてビザをとって日本に来ていたそうです。

この外国人を通訳・翻訳者として雇うため、「技術・人文知識・国際業務」ビザに変更しよう!・・と思って履歴書を書いてもらったところ、学歴は高校卒業調理師以外に業務経験がないことが判明しました。

この場合、その人がどんなに日本語が上手な外国人でも、通訳・翻訳者として雇うことはできません。

就労ビザがとれるかどうかは、2ステップで考えるとわかりやすいです。

第1ステップビザの種類と仕事の内容が合致する
No→:ビザはとれません
Yes→:第2ステップへ

第2ステップその外国人が必要な要件を満たしている
No→:ビザはとれません
Yes→ビザがとれるかもしれません

第2ステップをクリアしても「・・かもしれません」と、なんとも歯切れの悪い書き方になってしまっていますが、これは理由のひとつに、上記2ステップをクリアしていることを裏付ける書類が提出できるかどうか、という問題があります。

いくら本人が履歴書で大学卒業を主張しても卒業証明書がない、とか、証明書があっても、それが偽造(と疑われる)場合もあります。

さらに「申請してみて初めて分かること」が結構あります。

本人は何も言わなかったけれど、実は過去にオーバーステイをしたことがあった、なんてこともたまにあります。
オーバーステイ歴などは、それが10年前だろうが20年前だろうが、ガッチリ入管のデータベースに残っているので、素知らぬ顔で申請してもバレバレです。

こういった場合は、上の2ステップをパスしてもビザがもらえない可能性が高いです。

脱線しましたが・・第2ステップをクリアしているかどうかは、ビザごとにその条件を確認する必要があります。

たとえば、「大学を卒業している」とか、「仕事の内容にかかわる業務経験が10年ある」などです。

ビザの種類ごとに違いますし、さらに職種によっても違うところがあります。

機会があれば、個別に触れてみたいと思います。

お急ぎの方は、ご相談にお越しください。

※当サイトでは、特に断りのない限り「在留資格」を「ビザ」として記述しています

Author

福島(Fukushima) 竜太(Ryuta)
福島(Fukushima) 竜太(Ryuta)入管手続専門行政書士(Certified Administrative Procedures Legal Specialists/Immigration Consultant)
aroi行政書士事務所 代表行政書士(東京都行政書士会所属)
アジアランゲージセンター(株) 代表取締役
群馬県渋川市出身
大東文化大学国際関係学部(タイ語選択)卒業後、タイ・バンコクに2年間駐在
日本語教師・日本語学校事務(留学ビザ手続担当)を経て2009年10月行政書士登録