離婚したらビザはどうなる?⑤
前回まで、日本人配偶者、または日本永住者の配偶者だった人が離婚した場合に、帰国しないで他の何らかのビザに変更して日本に滞在し続けることはできないか・・ということで、条件が整えば一番お勧めな「定住者ビザ(離婚定住)」への変更について、その条件を書いてきました。
今回は「日本人の配偶者等ビザ」「永住者の配偶者等ビザ」の人で、前回まで書いた「定住者ビザ(離婚定住)」への変更の条件をクリアできそうもない場合や、もともと「離婚定住」の可能性がない「家族滞在ビザ(就労ビザ外国人と結婚)」の人が離婚する場合、ほかに取り得るビザがないか考えたいと思います。(前提として、再婚相手がいないこととします)
※2021年春の審査要領改定で、家族滞在から定住者ビザへの変更の可能性が示唆されました(明示ではありません)日本での婚姻して居住する年数は10年以上と思われます
このような人の場合、下記1~3について検討することになると思います。
※事例の多さでは、本命は「2」ですが、1から順に見ていきます。
2、就労ビザに変更できないか?
3、留学ビザに変更できないか?
「1」については、本人が生まれた時に親のどちらかでも日本国籍だった場合や、祖父母のどちらかでも日本国籍だった場合に可能性があります。
このような人は、そもそも結婚しなくてもビザを取ることができた人なので、結婚のビザで日本に滞在している人が「1」に当てはまるのはレアではあります。
しかし、あり得ない話ではなく、私は実際にそういった人を数人知っています。
例えば、祖母が日本人で母親も日本国籍だが、母親は生まれた国で育ち、その国のほかの子供たちと同じようにその国の教育を受けて成長(日本国籍だけ維持)。本人は「母が日本国籍」という情報は持っているものの、それによってビザが得られる可能性について考えたこともなく、ただ自分のルーツである日本に関心を持ち、ほかの外国人と同じように日本に留学ビザで来日。そのまま日本で就職(就労ビザ変更)、そしてその後日本人と結婚・・という人がいました。
この人の場合は「日本人の実子」として「日本人の配偶者等ビザ」を初めから(結婚しなくても)得るチャンスがあったわけです。
また、外国で生まれた母親が日本国籍を得ることがなかったとしても、祖母が日本人なので、日系3世として「定住者ビザ」の可能性もありました。
このようは人は「結婚→離婚」したからといってその人自身の「日本人の血統」が変化するわけではありませんので、証拠資料を添えて申請すれば、いつでも「日本人の配偶者等ビザ」や「定住者ビザ」が得られる可能性があるわけです。
「あれ、私、お母さんが日本人だった!」とか「おばあちゃんが日本人だったはず・・」という人は、一度確認してみましょう。
離婚したらビザがなくなって、日本に住みたいのに帰らなければならなくなるかも・・という不安をお持ちの人は、その不安が払しょくされるかもしれません。
しかし、繰り返しになりますが、このような条件に当てはまる人は少数派で、レアケースと言えます。(もし当てはまればラッキーです)
現実には「2」「3」の可能性を探ることがほとんどです。(「3」もあまり現実的ではないかもしれません)
「2」以降については、次回以降に。
Author
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aroi行政書士事務所 代表行政書士(東京都行政書士会所属)
アジアランゲージセンター(株) 代表取締役
群馬県渋川市出身
大東文化大学国際関係学部(タイ語選択)卒業後、タイ・バンコクに2年間駐在
日本語教師・日本語学校事務(留学ビザ手続担当)を経て2009年10月行政書士登録
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