嬉しい縁

2週間ほど前、日本に住むU国人のお客様から連絡があり、彼と同国人の友人(U国在住)が日本人と結婚したので、友人の在留手続き(在留資格認定証明書の交付申請)をしてほしい、とのこと。

こちらとしては、少なくとも日本人配偶者から依頼していただき、その人と話をしながら進めなければならないということで、連絡先を聞いて電話とメールで少しやり取りをし、昨日初めて事務所に来所をいただいた。

彼女の名前はWさん。

最初に電話で話をしたとき、発音にちょっとタイ人ぽい癖を感じたけれど、ものすごく流暢な日本語で、日本人と同レベル以上にこちらの説明を理解しているので、日本人なんだろうな、と思った。

なので、メールは全て日本語で、日本人を想定して「容赦ない」ものを送っていた。そして、それに対する返事もしっかりした日本語だった。

ただ、Eメールの送信者名に表示される名前がタイっぽい。

「うーん?」と思ったが、日本語が流暢というだけでなく、結婚相手は日本人ではなくU国人だし、紹介者であるU国人の配偶者はフィリピン人である。

日本国内の国籍ごとのコミュニティもタイとは接点がなさそう。

ここにタイ人が絡むとは考えにくかった。

なので、日本人が来所されるものという前提でお迎えした。

第一印象は・・外見はどっちともとれるけど、所作は日本人。

打ち合わせスペースにご案内した後、「やっぱり日本人だよな」と思い、資料をそろえて改めて打ち合わせスペースであいさつをしたところ、ニコニコしながら「先生、タイ語わかるんですか?」と。

名刺に書いてある事務所名がaroi(タイ語で「おいしい」の意味)だからそう思ったのかな?

でも、それだけでピンとくる人は相当なタイ好きだろう。

「上手じゃないですけど、多少は・・。でも、どうしてわかったんですか?」

すると、Wさん、自分の後ろの壁に貼ってあるタイ文字表を指さした。

当事務所の打ち合わせスペースはタイ語教室も兼ねているので、こんな感じで壁にタイ文字表が貼ってある。

でも、これを見てもタイ語を勉強したことがなければ、どこの国の文字かわからないだろう。

少々タイ好きで旅行に行ったことがあっても、普通の人はタイ語だと断言まではできないと思う。

すると、「私、今は日本国籍ですけど、出身はタイなんです」とWさん。

なんと・・!

ちょっとそうかもと思いつつ、そんなことないだろうと決めつけていたのだけど、本当にそうだったのか。

聞けば、元・国費留学生だという。

日本国籍取得(帰化申請)も自力で乗り越えたらしい。

これは、かなりすごい。

なるほど、納得の日本語力だ。

それにしても、

うちはほとんどネットから集客がなく、新規のお客様はタイであればタイにゆかりのある日本人や日本のタイ人コミュニティの紹介が大半だ。なので、全然異なる国からのつながり(U国は東南アジアですらない)で、タイの人とつながったのにはちょっと驚いた。

そして、何よりWさんが「ご縁ですね~」と嬉しそうに言ってくれるのが、自分にとっても嬉しかった。

うちのお客様は4割強がタイ人だけど、タイとのつながりは意識的に作り上げてきたようなところがある。

それだけに、まったく関係のないところからのつながりは、軽い驚きもあって少し次元の違う嬉しさを感じる。

こういう縁は、大切にしたい。

まずは、U国人の旦那さんの許可を得るところからだ。

Author

福島(Fukushima) 竜太(Ryuta)
福島(Fukushima) 竜太(Ryuta)入管手続専門行政書士(Certified Administrative Procedures Legal Specialists/Immigration Consultant)
aroi行政書士事務所 代表行政書士(東京都行政書士会所属)
アジアランゲージセンター(株) 代表取締役
群馬県渋川市出身
大東文化大学国際関係学部(タイ語選択)卒業後、タイ・バンコクに2年間駐在
日本語教師・日本語学校事務(留学ビザ手続担当)を経て2009年10月行政書士登録

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